エラストマー
エラストマーは、変形させても元の形状に戻すことのできる特性を持った有機材料です。天然のエラストマーは何世紀にもわたって樹木から採取され、消しゴムから自動車のタイヤに至るまでのさまざまな用途に使用されてきました。過去100年の間に、多くの合成エラストマーが開発されてきました。合成エラストマーは、耐摩耗性や化学的適合性などの特定のニーズを満たすように開発されています。レーザー切断および彫刻が、エラストマーの一般的な加工方法です。レーザーマーキングはあまり一般的ではありません。エラストマーのベンダーについては、材料サプライヤー一覧をご覧ください。
エラストマーの種類
レーザー加工の種類
新製品の開発から大量生産に至るまで、材料加工におけるレーザーの役割はこれまでになく広がっています。すべてのレーザー加工について、レーザービームのエネルギーは材料と相互作用して、何らかの方法で材料を変換します。各変換(つまりレーザー加工)は、レーザービームの波長、出力、デューティサイクル、および反復率を精密に調整することで制御されます。このようなレーザー加工には、以下のものがあります。すべての材料には、レーザービームがどのように相互作用し、その結果材料がどう改質されるかを決定付ける固有の特性があります。エラストマーの最も一般的な加工方法を次にご紹介します。
エラストマーのレーザー切断
CO2レーザービームのエネルギーはほとんどのエラストマーによって容易に吸収されるため、レーザービームの光路にある材料は急速に加熱されて気化します。レーザー出力が十分な強さであれば、レーザービームによって材料が完全に切断されます。ほとんどのエラストマーは、レーザーで切断されるとすぐに気化するため、熱影響域を最小限に抑えながら滑らかで真っ直ぐなエッジとなります。
エラストマーのレーザー彫刻
CO2レーザービームの出力を制限して、材料を特定の深さまで除去(彫刻)することができます。レーザー彫刻加工を施すと、エラストマーの表面に複雑なパターンやデザインを生み出すことができます。
エラストマーのレーザーマーキング
シリコーンのような一部のエラストマーには、ファイバーレーザーを使用すると、材料を除去せずに目に見えるマークを形成することができます。ただし、マークは薄いものになります。したがって、レーザー彫刻加工は、部品番号や他の識別マークをエラストマーに適用するために使用されるのが一般的です。
結合加工
前述のレーザー切断および彫刻加工では、エラストマーを動かしたり、再度固定したりすることなく、組み合わせることができます。
一般的なエラストマーレーザーシステムにおける注意点
プラットフォームのサイズ – レーザー加工するエラストマーの最大サイズを固定するのに十分な大きさであるか、大型の材料を加工するためのクラス4機能を備えている必要があります。
波長 – 10.6ミクロンの波長はほぼすべてのエラストマーによって容易に吸収されるため、レーザー切断、彫刻、およびマーキングに推奨されます。
レーザー出力 – 適用する加工に基づいて選択する必要があります。エラストマーのレーザー切断および彫刻には50~150W(CO2レーザー)が最適です。50W未満だと生産性が低下します。レーザー出力が高いほど、レーザー切断および彫刻はさらに高速になります。
レンズ – 2.0レンズは、エラストマーのレーザー加工に最適な汎用加工レンズです。
排気 – レーザー加工中に発生した気体や粒子をエラストマーレーザーカッター、彫刻機、およびマーカーから取り除くのに十分なエアフローが必要です。
エアアシスト – レーザーの焦点の近くに空気を噴射して、エラストマーのレーザー切断および彫刻中に発生した気体や粒子を除去します。
エラストマーレーザー加工に関する環境、衛生、および安全性への配慮
ほとんどの場合、レーザー材料の相互作用によりガス状流出物や粒子が生じます。エラストマーのレーザー切断および彫刻から生じた流出物には、さまざまな揮発性有機化合物(VOC)が含まれ、これらは外部環境に排出する必要があります。あるいは、流出物を最初にろ過システムで処理してから外部環境に排出することもできます。エラストマーの燃焼はレーザー加工に伴う現象で、炎を発生させる可能性があります。そのため、エラストマーのレーザー加工を常に監視する必要があります。