ベクター性能比較テスト

ベクターモードとしても知られるベクター加工性能は、主に切断と単線の彫刻およびマーキングに使用されます。本テストでは、レーザー加工時のベクター加工性能を様々な側面からテストするために12種類の図形要素が開発されました。PLS6.150D(ユニバーサル)と二つの競合他社システム(E社製およびT社製)が比較可能かつ許容可能な品質を達成しながら、最大性能で比較できるように各レーザーシステム設定が調整されました。

リーズナブルな品質をもたらす最も効率的な設定を決定するために、各図形要素がテストされました。品質は二つのパラメーターで定義されました。一つは目的のパス対して動きがどれだけ正確に維持されているか。もう一つは図形全体にもたらされる均一性です。異なる形状での性能を決定するために、様々な曲線、円、四角形および線が使われました。全体的な図形は、60.9cm x 30.5cmのアルマイト処理されたアルミ上に加工されました。

Vector Performance Comparison


各要素のテストは、まずは最高速度および加速で実施。一部の図形要素では、これで好ましい品質が得られましたが、他の要素ではシステム設定の調整を必要としました。各システムでは品質調整の設定が異なるため、一貫した方法を用いて各システムの最適化が行われました。各図形要素は他の要素とはそれぞれ独立して調整され、許容可能な品質が達成される可能な限り最高の性能レベルにて各要素が実施されました。



すべての設定は、各システム付属の取扱説明書に従い調整されました。

結果

特定の図形要素での各システムの時間とランクは次のとおりです。時間は、加工の最初、図形デザインから図形の完成までを測定しました。「ホーム」位置から戻るまでの移動は含まれていません。

デザインファイルユニバーサルランクシステムEランクシステムTランク
図形要素1 0:15 1位(同点)0:292位0:15 1位 (同点)
図形要素2 0:09 1位0:153位0:112位
図形要素3 0:12 1位0:213位0:152位
図形要素4 0:44 1位0:462位0:473位
図形要素 5 0:51 1位0:522位1:003位
図形要素6 0:37 1位0:412位0:473位
図形要素7 0:092位0:193位0:07 1位
図形要素8 1:29 1位2:572位5:203位
図形要素9 0:13 1位0:242位0:523位
図形要素10 0:13 1位0:342位0:393位
図形要素11 0:14 1位0:342位1:003位
図形要素12 0:11 1位0:203位0:142位
総完了時間5:17 1位8:322位11:273位
相対完了時間1.01.622.18

ランキングの概要

システム1位2位3位
PLS6.150D (ユニバーサル)1110
システムE084
システムT237

比較テスト動画

ユニバーサルレーザーのベクトター加工比較

システムEおよびシステムTに対するテスト状況を実施しているPLS6.150D(ユニバーサル)の全ての要素を示す動画

図形要素1
図形要素2
図形要素3
図形要素4
図形要素5
図形要素6
図形要素7
図形要素8
図形要素9
図形要素10
図形要素11
図形要素12

結論

PLS6.150Dシステムは、テスト図形全体に渡り良好な性能を発揮しました。加速と速度を独立した形でかつ動的に最適化する洗練されたパス設計と、速度から独立して加速を上げる能力で、システムはあらゆる図形に渡り効率的になることができます。

システムEは全体のスコアでシステムTよりも優れていましたが、PLS6.150Dには及びませんでした。システムEは、長い直線状と組み合わされた複雑な曲線を有する図形の加工ではそれほど効率的ではありませんでした。

システムTは、システムEおよびPLS6.150Dに及ばず、3位に落ちています。システムのパフォーマンスに影響を与えた重要な問題は、このシステムには、カーブ周辺のパスのデザインと組み合わせてスピードとは別に加速をコントロールする設定がなく、最善性能に達しないことでした。品質向上のために使える唯一のコントロールはシステム全体の速度ですが、これは図形内に小さなカーブが存在する場合、品質維持のためには大幅な減速が不可欠です。

これらの結果は、ステッパーかサーボかのようなモーターの種類は、レーザーシステムの性能比較の場合には無関係な検討であるという、ひとつの大きな結論を示しました。ユニバーサルのレーザーシステムは、ステッパーモーターを採用し、両競合のシステムはサーボモーターを使用しています。総合的なベクトル性能に関しては、ユニバーサルのレーザーシステムが明らかな勝者となりました。どちらのタイプのモーター技術も同等に優れた性能を発揮します。この違いは、使用したモーターの種類やその最高速度能力ではなく、むしろビーム位置決めシステム全体の設計とコントロールにあります。ユニバーサルのレーザーシステムは、レーザー加工用に特別に設計されたカスタムリニアレールを備えた極めて軽いモーションシステムを使用しています。他のシステムで使用されている非常に重い既製の固体スチール製のリニアベアリングとは対照的に、あらゆる場所で軽量な航空宇宙素材が使用されています。この特注技術と高度なパスデザインソフトウェアを組み合わせることで、ユニバーサルのレーザーシステムは、信頼性の高いデジタルステッパーモーターを使用して、実際のベクトルアプリケーションで競合製品を上回る性能を発揮します。