ガラス・セラミックス

ガラスおよびセラミック材料は、無機の非金属です。これらの材料には、硬くて曲がらず、壊れやすいなどの共通する物理的性質が数多くあります。この2種類の材料の主な違いは、ガラスは完全に非結晶性であるのに対し、セラミックは結晶性であることです。最も一般的な種類のガラスはソーダ石灰ガラスです。そのほとんどはシリカ(砂)で構成されており、炭酸ナトリウム(ソーダ)と酸化カルシウム(石灰)が添加されています。ソーダや石灰を添加することで、食器や窓を形成するにあたってガラスが高温で変形しやすくなります。高温互換性や高強度などの特定の性質を提供する各種添加物を含有した工業用ガラスもあります。

セラミックは結晶性酸化物、窒化物、または炭化物の粘度の高い液体混合物を生成することで形成されます。混合物は目的の形状に形成された後、高温で焼成されて固体のセラミックスが生み出されます。最古のセラミックスは粘土を焼成することで作られ、器やタイルが作られていました。アルミナ(酸化アルミニウム)やタングステンカーバイドなどの現代のセラミックは、電気絶縁や耐摩耗性などの特性を提供するために、高度に設計されています。ガラスおよびセラミック材料に対する最も一般的なレーザー加工方法は、マーキングと彫刻です。ガラスおよびセラミックスのベンダーについては、「材料サプライヤー一覧」をご覧ください。

Glass and Ceramic Materials

ガラスおよびセラミック材料の種類


セラミックス
  • アルミナセラミック
  • ケイ酸アルミニウム
  • 陶器
  • 施釉タイル
  • レーザータイル
  • MACOR
  • 磁器
  • サルティーヨタイル
  • 炻器
  • タングステンカーバイド
  • ジルコニア
ガラス







レーザー加工の種類

レーザーは、新製品の開発から大量生産まで、材料加工において幅広い役割を担っています。すべてのレーザー加工について、レーザービームのエネルギーは材料と相互作用して、何らかの方法で材料を変換します。各変換(つまりレーザー加工)は、レーザービームの波長、出力、デューティサイクル、および反復率を精密に調整することで制御されます。このようなレーザー加工には、以下のものがあります。

すべての材料には、レーザービームがどのように相互作用し、その結果材料がどう改質されるかを決定付ける固有の特性があります。ガラスおよびセラミックスに対する最も一般的な加工方法を以下にご紹介します。


ガラスおよびセラミックのレーザー彫刻
CO2レーザービームのエネルギーによって、ガラスおよびセラミック材料が局所的に加熱されて、材料の表面に微小亀裂が発生します。レーザー加工パスを繰り返していくと、亀裂が大きくなり、やがては小さな破片が生じます。複数回のレーザーパスの後は、深くはっきりとしたレーザー彫刻が材料の表面に形成されます。ガラスおよびセラミック材料におけるレーザー彫刻の通常の深さは0.012~0.015インチ(300~375ミクロン)です。ガラスおよびセラミック材料の彫刻では、過剰な加熱を避けて材料が砕けないようにするために、複数回のパスが使用されます。彫刻後、表面を堅いブラシでクリーニングして、材料から出た破片を取り除く必要があります。

ガラスおよびセラミックのレーザーマーキング
ガラスの場合は、CO2レーザービームのエネルギーによって表面が局所的に加熱され、微小亀裂が発生します。この亀裂は光を回折するため、レーザーマーキングした領域には、つや消しされたような明るい外観が生まれます。特定のセラミックでは、CO2レーザーまたはファイバーレーザーを使用して、大量の材料を除去せずに目に見えるマークを作り出すことができます。レーザーのエネルギーによってセラミックは黒くなり、シャープではっきりとしたマークが形成されます。レーザーマーキングを使用することで、シリアル番号やロゴなどの情報を伝達することができます。

複合加工
前述のレーザー彫刻およびレーザーマーキング加工は、その部品を移動したり再固定したりせずに組み合わせることができます。







ガラスおよびセラミックレーザーシステムに関する一般的な注意点

プラットフォームサイズ – レーザー加工するガラスまたはセラミックの最大サイズを保持するのに十分な大きさであるか、大型の材料を加工するためのクラス4の機能を備えていなければなりません。

波長 – ガラスおよびセラミックのレーザー彫刻とガラスのマーキング、ならびにジルコニアのような特定のセラミック材料のマーキングには、10.6ミクロンの波長のCO2レーザーが推奨されます。ケイ酸アルミニウムのような特定のセラミック材料のレーザーマーキングには、1.06ミクロンの波長のファイバーレーザーが推奨されます。

レーザー出力 – ガラスおよびセラミックのレーザー彫刻とガラスのマーキング、ならびにジルコニアのような特定のセラミック材料のマーキングには、少なくとも40WのCO2レーザー出力が推奨されます。ケイ酸アルミニウムのような特定のセラミック材料のレーザーマーキングには、少なくとも40Wのファイバーレーザー出力が推奨されます。

レンズ – ガラスおよびセラミック材料のレーザー彫刻およびレーザーマーキングには、小型のスポットサイズのレンズ(0.005インチ(125ミクロン)未満)が最適です。

排気 – ガラスおよびセラミックのレーザー彫刻機およびマーカーから生じた気体や粒子を取り除くのに十分なエアフローが必要です。

エアアシスト – レーザーの焦点の近くに空気を噴射して、レーザー加工中のガラスやセラミックの破片を除去します。



ガラスおよびセラミックのレーザー加工に関する環境、衛生、および安全性への配慮

ほとんどの場合、レーザー材料の相互作用によりガス状流出物や粒子が生じます。レーザー加工から生じた副産物を外部の環境に排出する必要があります。あるいは、排気を最初にろ過システムで処理してから外部環境に排出することもできます。すべてのレーザー加工では熱が発生します。そのため、ガラスおよびセラミックのレーザー加工を常に監視する必要があります。